研究内容について

本研究室にて実施している研究の概要を説明します.
研究テーマをクリックすると研究背景,研究アプローチ等を説明しています.
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研究の概要

水素炎を用いた加熱炉の開発

加熱炉は自動車,窯業,食品などの生産プロセスを支える基盤です.2020年以降,部品製造レベルまで徹底した低炭素化するために,加熱炉の燃料を水素に転換しすることで,CO2フリー社会の実現が求められています.

本研究開発では,水素への燃料転換を支える,水素炎を用いる加熱炉やバーナーの基盤技術の開発に取り組み,ユーザーから求められる加熱形態や被加熱物の物性に対応する新たな機能を備えた実炉や実バーナーの先進デザイン研究と開発を行っています.

化学蓄熱・化学ヒートポンプ

ChHP

自動車を利用したり,製品を生産する時には,多くの熱を捨てています.日本全体では,2/3のエネルギーが排熱として,利用されずに捨てられています.

排熱を化学結合力に変えて,小さな体積に多くの熱を蓄えることができるようになれば,その熱を利用したい時間に,利用したい場所で,再び利用することができます.

グリーンモビリティー技術

Greenmobility

これからの自動車には,優れた低燃費性や低環境負荷性が,一段と求められます.さらには,ドライバーやパッセンジャーの快適性,安全性も不可欠な要素です.

本研究室では,ドライバー・パッセンジャーの脳波や血流などのバイタル(生体)状態をリアルタイムにモニタリングして得たデータを使って,快適に温調にする技術や,走行中に捨てられている排熱を蓄え,必要な時にすぐに熱を供給する装置の開発に取り組んでいます.

そのほか,自動車が走れば走るほど,空気をよりきれいにする排ガスフィルターを開発したりしています.

吸着式冷凍・吸着式ヒートポンプ(吸着ヒートポンプ)

AdsorptionHP

吸着式冷凍機は、シリカゲル、活性炭、ゼオライトなどの吸着材と、水、アルコールまたはアンモニアなどの作動媒体の吸着・脱着により,熱エネルギーを変換するもので,100℃未満の低質な熱エネルギーの利用が可能なシステムです.これまでの研究により,50℃の温水からでも,15℃の冷水を作り出すことができるようになってきました.

機械圧縮機を,熱操作で代替することができる(これを吸着コンプレッサーと呼ぶこともあります)ため,原理的に循環温冷水のポンプ以外にはほとんど動力を消費せず.また,吸着剤,吸着質ともに環境負荷もほとんどないのが特徴です.

スマートエネルギーシステム設計

SmartGrid

さまざまな「エネルギーの需給情報」を「ICTで双方向通信」することによって,コミュニティー内で電気と熱エネルギーを需給制御し,全体でエネルギーを賢く利用する社会づくりが志向されています.

本研究室では,太陽光発電,太陽熱などの再生可能エネルギー源,ガスエンジン発電機,排熱などのエネルギー供給源と,需要側の消費ニーズをダイナミックシミュレーションによって需給制御し,さらには予測制御まで可能とする研究に取り組んでいます.

熱のアップグレーディング

upgrading
温度レベルが低下した熱を,化学的操作によって質(温度レベル)を高めたり,高密度に蓄えたりする技術を開発しています.
そのうちの一つが,化学反応を用いるヒートポンプ,つまり,熱源の温度よりも高い温度を得る技術です.

その反対に,熱を利用して環境より低い温度,つまり,冷房熱(冷熱)を作り出す技術もあります.

高度燃焼技術

燃焼

低炭素社会の構築が求められている中,化石燃料依存度は未だに高く燃焼プロセスの高度化が求められています.熱効率の向上やエミッションの減少を目指した燃焼技術,排ガス処理技術を研究しています.