名古屋では4月下旬に旬を迎える竹の子.本格的な春の訪れを告げる食材です.竹の子にはアクが多く含まれるので,アク抜きをして料理すると思いますが,この「アク」って何でしょうか.
「アク」は漢字で「灰汁」と書くこともあるように,無機物であることが多く,竹の子などの渋味成分はおもにシュウ酸(水溶性シュウ酸.シュウ酸ナトリウム)です.シュウ酸の化学式はHOOC-COOHで,多くの植物に含まれます.ヤマイモで作るとろろが口の周りでちくちくするのは,シュウ酸カルシウムの針状結晶が刺さるためです.なお,柿,お茶の渋味はこれとは違います(おもな渋味成分:タンニン).
そこで,タケノコ(700g~1kgのものの半分)をお湯(1L)で20分ほどお湯で茹で,煮汁を冷ました後,水酸化カルシウム水溶液を加えます.
水酸化カルシウム水溶液は,海苔やおせんべいの袋の中にある白い乾燥剤(生石灰)を水に溶かし,コーヒーフィルターなどでろ過すると簡単に作れます.ただし,生石灰や水酸化カルシウム水溶液は強アルカリ性ですので,目に入れないように十分気を付けて下さい!
水酸化カルシウム水溶液を煮汁(上の写真)に入れてかき混ぜると,すぐに濁ります(下の写真.分量の目安は,煮汁:水酸化カルシウム水溶液=2:1).
そして,数分放置すると,たくさんの白い結晶が現れます(下の写真.もし,現れないようでしたら,水酸化カルシウム水溶液をさらに加えてみて下さい).想像以上にアクの量が多いので驚きです.竹の子のアクが強い理由がこれでわかりますね.
最後は味付けして美味しくいただきましょう!(醤油,和風だしの元,鰹節)